相次ぐ台風の襲来で、東京電力は使用を中止していた福島第1原発の地下貯水槽の利用を再開した。地上タンク群を囲むせきにたまった汚染水が大雨で増えており、移送先を確保するための苦肉の策だ。専門家は「全体のリスクは下がる」と理解を示すが、地下貯水槽で4月に汚染水が漏れた原因は分からないままで、懸念する声は強い。
 貯水槽は、地盤を掘り下げて防水シートを3重に敷いた構造。計7カ所あり、総容量は5万8千トンと大量にためられるのが特徴だ。容量の小さい地上タンクでは汚染水の増加に追いつかないため、貯水槽が対策の“切り札”だったが、4月に漏えいが相次ぎ、全ての使用中止を決めた。

 さらに地上タンクでも8月に高濃度汚染水漏れが判明。開けていたせきの弁を閉じる運用に変更した。せきの水は仮設タンクに移し、放射性物質濃度が東電の排出基準未満の場合は敷地内に排出し、超えた場合はタンクに保管することにした。

 しかし降雨の度に水がたまるため、移送が追いつかず、せきからあふれる事態に。そこでこれまで漏えいが見つかっていない貯水槽3カ所を一時的に使う方針を決定。2カ所は利用を始めた。

 原子力規制庁の 森本英香 (もりもと・ひでか) 次長は25日の記者会見で「実際に漏れたところを使うわけではない」と容認姿勢を示したが、原因や漏えい箇所は特定されておらず、不安はつきまとう。東電は「緊急避難的に使わざるを得ない状況で、悩んだ末の判断」と苦悩をにじませる。

  小峯秀雄 (こみね・ひでお) 茨城大教授(土木工学・地盤工学)は「一つの貯水槽の漏えい量は推定最大20キロだが、せきからあふれた量はトン単位。絶対に漏らさないとの非現実的な状況を前提とせず、現状では貯水槽を活用した方がリスクが低い」としている。

(共同通信)

   転載おわり

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