福島第一原発 作業員1日で6000人




 東京電力福島第一原発では、凍土遮水壁の建設や旧型タンクの置き換えなど大型工事がひしめき、作業員は一日当たり約六千人と、昨夏のほぼ倍になっている。休憩所には人があふれ、通勤バスは一時間待ちになることも。現場では作業が重なり、混乱もたびたび起きている。


 十九日、本社ヘリ「あさづる」で上空を飛んだ。


 増える一方の汚染水。タンク増設用地が残り少ないため容量が少ないタンクを撤去して新しい溶接型タンクに置き換える準備をしている。作業は同時並行で進み、一つの現場に多い所で二、三十人の作業員がいるのが見えた。


 飛ぶ前、事故前から福島第一で働いている作業員から「工事が重なり、予定していた作業ができない日もある」と聞いた。生コンクリート車やダンプカーなどの通行による道路規制や他の工事の都合で、現場に着くことすらできない日もあるという。規制情報は事前に出るものの「どこを通って行けばいいのかわからないぐらい規制される」(ベテラン作業員)。


 一つの現場で電気系と機械系の工事が重なったり、他の工事車両が邪魔で資材が搬入できなかったりすることもしばしば。企業間で工事日程は調整するが、どうしても混乱は起きる。


 資材を運ぶトラックも不足気味。現場監督の男性は「今日も調整してやっと間に合った。優先する作業にトラックを持っていかれると、週一日の週末の休みをつぶして作業をするしかない」とため息をついた。


 休憩所も人がひしめき合う。「中に入りきらず、廊下にビニールマットや段ボールをしいて座っている」と技術系の作業員が明かした。夏場には飲み物も不足した。


 敷地への入退出の手続きでも一苦労。汚染チェックでもたもたしていると、「何してるんだ」と怒号が飛ぶ。東電は通勤バスを増やしたが、バス待ちの列は二百メートルほどになる時も。最近は緩和されたが、出入りする車両も汚染検査で長蛇の列を成す。「作業時間が短くても移動や手続きの時間が長くて…」と若手はぼやく。


 企業は急激に増えた作業員の宿泊先確保に苦労している。建設した寮や借り上げたアパートでは足りず、寮を増設する元請けも。


 ベテランが不足している上、原発での仕事は初めての人も増え、作業が滞る現場も多い。ベテラン作業員は「作業の調整がつかないまま人だけ詰め込んでいる。混乱して、かえって全体的に作業が遅れている」と嘆いた。
 (片山夏子)

中日新聞

       以上転載おわり









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