2.3日前から
         マンション6階のテラスに
         腹を上に向けた蝉の亡骸(なきがら)が現れた

         風が吹くたび クルクル回ったり ズズず~と位置をかえたりする

         どこか遠くで蝉がなき続けている
         そこから飛んで来たのか

         「あんたもこうやって天命を全う(まっとう)しなさいよ」
         と 俺に告げにきたのだろう

         それは 完全に 「虚」 だ

         で 「実」のほう は 天に還ったのだ

         おれの肉眼はその 「虚」 しか捕らえない

         が 俺の「実」 が この蝉に目を向けさせた

         いや 蝉のしわざだ















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